こんな中、ライブにきてくれるだろうか…

笑　顔　　　<後編>

俺のファンの嫌がらせを受けてライブにこれるだろうか…

そんな事を思ってるうちにツアー開始…

俺はどうしていいかわからずメールもろくに送れないでいた…

♪〜♪〜

メールの着信音。

さんからのメールとわかるように さんの曲で。

−−−−−−−

さん

[件名]

ライブ

[本文]

ツアー頑張ってね。

東京公演、楽しみにしてますｏ(＾−＾)ｏ

−−−−−−−

来てくれるんだ！

で、でも…

俺は聞く勇気がなかった…

−　俺のファンの中で見てられる？　−

って…

田口　「なに、ボーッとしてんの？」

亀　　「！！あ〜… さん、東京公演、楽しみにしてるって…」

田口　「来てくれるんだ？よかったじゃん！」

亀　　「うん…」

ツアーが始まり、順調だった。

そして、東京公演…

　「…」

ドキドキしていた…

亀梨くんのファンであろう人からの必要以上の嫌がらせ…

悲痛な声…

−　亀ちゃんに近づかないで　−

本音を言えば

−　私は近づいた覚えはない…　−

確かに彼は魅力的…

でも好きって感情は…

…ないわけじゃない…

会ったのは、じゅんのと一緒に食事をした、あの一回だけ…

あとはテレビ局とかの廊下ですれ違う程度。

メールのやり取りをするようになって、好きだなって思った事は何度もある…

でも、それはあくまで『友達』として…

でも今は…

今、バレないだろうか…とすごく不安になる。

もしバレたらと思うと…

観客　「きゃーーーーー！！！！！」

　「！！」

俺らのライブが始まった…

さんに最高のライブを…

迷惑かけた分、これで気分転換…なんて無理かもしんねぇ〜けど…

客席にいてバレなきゃいいけど…

ＭＣの最中に会場がザワザワし始めた…

ファン　「あの… さんですよね…」

　「！！…」

ファン　「なんできてんのよ！亀に近づかないで！！」

　「…」

聞きなれた言葉…

直接言われるとマジでキツイ…

私は何もしてないじゃない…

なんで私が…

中丸　「おい、まずいんじゃねぇ〜の？」

亀　　「…」

会場は静まり返る…

その中で『亀に近づかないで』が響き渡る…

聖　　「次、行くぞ〜！！俺らに集中しろ〜！！」

観客　「！！！きゃーーー！！！」

聖、サンキュ！と目を交わした。

さんは大丈夫だろうか…

俺はメンバーのソロの間にこっそり抜け出した…

　「はぁ…はぁ…はぁ…くっ…いや…助けて…なんで私が…」

亀　　「はぁ〜…どこだ…！　！！」

　「…」

亀　　「 さん！」

　「！！亀梨くん…こ、こないで…お願いだから…こないでぇ〜…」

亀　　「！！…ごめん。俺のせいで…俺が軽はずみであんな事、言わなければ…

　　　　でも、俺、 さんがホントに好きなんだ…」

　「…もう、やめて…」

亀　　「…ごめん」

どうしていいかわからなかった…

俺はマネージャーを呼んで後をお願いした…

中丸　「亀！何やってんだよ！」

亀　　「…わりぃ〜…」

ライブが終わり、楽屋へ戻った…

亀　　「 さん！！」

マネ　「し〜！今、寝てるから…」

亀　　「…」

俺はなんて事、してしまったんだろう…

俺の一言でここまでにしてしまった…

仁　　「亀、お前も早く着替えろ…」

田口　「 は俺らが見てるから…」

亀　　「…ぅん」

着替えて戻ってくると、 さんは目を覚ましていた…

亀　　「！ さん…」

　「！…ごめんなさい…みっともないとこ見せて…」

亀　　「…俺の一言で…ごめん」

　「…」

上田　「先、行ってるから…」

亀　　「！ああ…」

沈黙が続く…

話をしようと思ってもどう切り出していいかわからなかった…

　「あ、あの…行っていいですよ…もう大丈夫だから…」

亀　　「…置いていけるわけないだろ！外にはまだファンがいっぱいいるんだから！」

　「…」

亀　　「俺は、 さんが好きだ」

　「…」

俺は行動に出た…

こんなんじゃ、らちがあかない…

俺は さんが好きなんだ…

　「！！か、亀梨くん？？」

俺は さんを抱きしめた…

亀　　「好きなんだ…」

　「…」

さんは、それに答えてくれるかのように俺の背中に手を回してくれた…

　「私も好き…」

ホッとした…

やっと気持ちが通じた…

俺が守ってやれる…

ただ、一つ気になるのは…

笑顔が戻らない事…

俺の大好きなあの笑顔がなくなった…

笑ってはくれるものの、どこか寂しそう…

あの笑顔を奪ったのは俺…

俺は さんから全てを奪ってしまったのかもしれない…

さんは今、音楽活動も休止してる。

戻るのは未定らしい…

さんのファンから責められた…

当たり前だ…

俺があの歌、あの笑顔を奪った…

でもいつか、俺が全てを取り戻す。

いつになるかわからない。

何年もかかるかもしんない…

俺が全て取り戻す。

大好きな さんのために…

愛する女を守るために…

あの笑顔がもう一度見たい…

完

-----　あとがき　-----

笑顔がいい人って憧れますｗ
なんか、亀梨さんはこういう内容のものになってしまう(￣∀￣;)汗
次はもっと違うのに挑戦してみようかのぉ…

仁姫　　　'05.7.22

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