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雨の日、必ず彼女は同じ場所にいた…
雨
大雨洪水警報が関東全域に発令した…
田口 「はぁ〜…雨かよ…しかも大雨…マジか〜」
この日は今までにない大雨だった…
大雨の中、俺は重たい足取りで学校へ向った…
田口 「うお！一歩でただけで、びしょ濡れかよ」
ビショビショになりながらも学校到着…
「じゅんの！おはよ〜！うわ〜、ビッショリだねぇ〜！」
田口 「おはよ。最悪だよ…」
などと、朝の挨拶をして教室へ向った。
教室に入ると、みんなもびしょ濡れだったみたいで体操服でいる人が殆どだった。
俺は自分の席につき、なんとなく外を見た…
あれ？見掛けない子だな…
違う学年の子？？
だろうな（笑）
見掛けない子なんて…
いくら俺でも？全学年の子の顔なんて覚えてないわ（笑）
しかもなんでこんな雨っぷりに傘もささずに外にいるんだ？
田口 「なぁ〜、あの子、この雨の中、外にいるんだけど…」
聖 「あ〜？外？どこに？」
田口 「あそこ…あれ？さっきいたんだけどな」
聖 「いくら雨好きでも、この雨じゃいないだろ」
田口 「確かにな…」
でも、いたんだけどな…
気のせいか…？？
雨は一日中降り続いた…
…ったく…止んでくれよ！！！
帰りもこの調子か？？
帰りもあの調子だった…
田口 「はぁ〜…もう、開き直るしかないな！」
俺は開き直って帰る事にした…
あ、またいた…
……
あっ…目が合った…
「こんにちは＾＾」
田口 「！こんにちは…」
挨拶された…
なんか…可愛らしい子だな…
田口 「さっきもいたよね？なんでこんな雨の中…」
「…雨が好きなんです」
彼女は という子らしい…
うちの学年ではないみたいだな。
さんに見とれて、雨だという事を忘れていた…
大雨なのに…
田口 「あ…ずぶ濡れ…」
「（笑）」
ようやく気付いた俺は さんと別れて家へ帰った。
家につく頃には傘も意味のないものになるくらいの濡れようで、すぐ風呂に入った…
でも、彼女そんなに濡れてなかったのは気のせいだろうか？？
そんな事を気にしながらも俺は彼女の存在が気になっていた…
また会えるかな？なんて思いながら探す事まではしなかった…
なんか「偶然会える」と直感で思ったから。
次の日は昨日の雨が嘘のようないい天気！
田口 「昨日の天気は何だったんだ…」
気付くと俺はいつも外を眺めていた…
昨日の雨のせいでグランドは水浸し…
誰もいない校庭をただ眺めていた…
さんがいないかなと…
しばらく天気が続くなか、俺は さんの事を忘れてかけれた。
毎日会うならまだしも、こうも見事に会わないとなると気にもとめなくなる…
そんな時だった…
大雨…
雨が降る時は大雨って決まってるのか？？
そしてまた俺はびしょ濡れで学校へ向う…
あっ…
田口 「おはよ〜。久しぶりだね」
「！おはようございます」
田口 「また大雨の中…」
「約束してるんです。ここで待ち合わせって…」
田口 「友達？彼氏？」
彼女は微笑むだけだった。
そう、うちの学校の校門には大きな木が立っている。
そこに彼女はいる…
「先輩に告白しようと思ったんだけど…忘れてるのかな…」
田口 「そっか…」
なんでこの雨の中、待たせるんだ！
と、俺はちょっと怒りながら教室へと行った…
ふと、彼女の言葉を思い出した…
＊ 先輩に告白しようと思ったんだけど…忘れてるのかな… ＊
……
なんか忘れてる…
俺、そう言えば、後輩の子に呼ばれた記憶がある…
えっ？それってどうしたっけ？俺、行ったっけ？？
田口 「聖…」
聖 「ん？」
田口 「俺さ、前に後輩の子に呼び出されたよな？」
聖 「ん？？ ！あ〜！！今日みたいな大雨の日だろ？
さすがにいないだろって帰ったんじゃなかった？？」
田口 「そうだよ…な」
えっ…えっ…？？
まさか…俺を待ってる？？
だって、もう随分と前の事…
俺は休み時間、職員室に向った…
田口 「先生… さんって知ってる？」
先生 「 さん？あ〜…もう半年？一年になるかしら？肺炎で亡くなったのよ…」
田口 「！！亡くなった？？」
先生 「今日みたいな大雨の中、傘もささずに外にいたみたい」
俺のせいだ…
俺が忘れたりしなかったら…
俺は放課後、傘もささず、彼女のところへ行った…
「！」
田口 「遅れてごめん…」
「！！忘れてなかったんだ…よかった…」
俺は胸が痛んだ…
ずっと忘れてたんだよ…
この雨の中、君の事を…
「あの、私、先輩の事、好きです！」
田口 「ありがとう…」
「…気付いてくれて、思い出してくれて、ありがとう…」
田口 「！！」
「ずっと田口先輩が好きでした…」
田口 「…こちらこそ、ありがとう。こんな俺のためにずっと待っててくれて…
それとごめん…俺のせいで…」
溢れてきそうな涙を必死でこらえた…
「ううん…謝らないでください。自分を責めないでください…」
田口 「ありがとう…」
彼女は微笑んで手を振って…
消えてった…
もう、雨はやんで、太陽の日差しが眩しかった…
俺は先生に彼女の家を教えてもらい、訪ねた…
元々彼女は体が弱かったみたいで、そのうえ、あの大雨の中、外にいたもんだから肺炎を起こしたらしい。
よく俺の話をしていたみたいだ…
俺は彼女のお母さんに挨拶をして、彼女の家を後にした…
もう忘れないから…
君の顔も、声も、笑顔も…
また会えそうな気がした…
あの大雨の日に…
完
------ あとがき ------
また彼女、亡くしてしまいました(￣∀￣;)汗
雨…ホントはもうちょっと違う内容だったんだけど…
ま、いっか♪（ヾ（￣ー￣；）ォィォィ）
仁姫 '05.7.5
OR
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