『さよなら』

そう言って俺から去って行った…

離れて行かないで…

田口　「 ！！はぁはぁ…夢… …」

また、同じ夢を見た…

最近は決まって、この夢で起きる…

まだ忘れてない証拠だ。

いや、忘れるわけがない…

だって…

今でも好きだから…

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

−３年前−

　「あ〜！キミ！キミ！そこの背の高いキミ！」

田口　「あ？俺？」

　「やっと振り向いた…キミ、名前は？」

田口　「田口淳之介ですけど…」

　「田口くんね。あ、私、男子バスケ部のマネージャーしてます。

　　　　 といいます。バスケ部、入りません？」

田口　「バスケ部…」

　「あ、別に無理にとは言わないけど、楽しいよ！

　　　　その気があるなら、３年Ｅ組。それか、放課後、体育館にきてください！」

田口　「…」

これが俺達の出会い。

俺は別に興味なかったけど、覗きに行ってみた。

　「もっと腰落として〜！」

田口　「…」

女子顧問　「あら？入部？」

田口　「あ、いえ…」

女子顧問　「 に勧誘された？」

田口　「え？」

女子顧問　「あの子、バスケ部いたのよ。ケガが原因でもう、バスケできなくなっちゃったんだけどね。

　　　　　　　凄いのよ、彼女。バスケやるには背、低いのに、エースだったんだから」

田口　「！！」

そんな事言われても…

　「慶ちゃん、少し休憩にしよう」

小山　「そだね。５分休憩〜！」

　「ちゃんと水分とってよ〜！」

さんはみんなから慕われてた。

休憩時間だと言うのに、 さんの周りには人がいっぱい。

すげぇ〜な…

　「！田口く〜ん！」

田口　「！！」

　「来てくれたんだ？」

田口　「はい…」

　「ゆっくりしてってね！」

俺は練習が終わるのを待ってた。

待ってたっていうか、最後までみてたら、見入って帰れなくなった（笑）

小山　「じゃ、 、あと頼むな！」

　「はぁ〜い！お疲れさま！　！田口くん、最後までいてくれたんだ？」

田口　「はい。まだ帰らないんですか？」

　「うん。少しやってから帰るんだ」

田口　「 さんが？」

　「うん！じゃ、お疲れさま！最後までいてくれてありがと！」

田口　「あ、いえ…あ、見ててもいいですか？」

　「！いいよ！」

さんは楽しそうにバスケを始めた。

見てるこっちも楽しくなるくらいに。

俺はバスケ部に入部した。

途中から入った俺は、 さんとマンツーマンで基礎から教えてもらった。

俺は、 さんに恋をした。

さんは俺の事を部員の一人としてしか見てないと思うけど…

ある日の練習が終わったあとの練習の時…

　「…ふぅ〜」

田口　「！ さん？」

　「…」

田口　「 さん！！」

さんは突然倒れた…

意識はハッキリしてて、少し横になってれば大丈夫と言ってた。

俺は さんを抱きしめた。

　「！！田口くん！？」

田口　「…好きです」

　「！！」

この日から俺達は付き合うようになった。

でもその時は終わりがくるなんて思ってなかった。

そりゃそうだ。付き合い始めたばっかで終わりなんて誰が思うか…

でも、その終わり方は最低だったと思う…

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* '05.8.24 *